世界最高峰の研究者を選出した 高被引用論文著者リスト2022年版を発表

クラリベイトのInstitute for Scientific Informationが定性的分析を増強、不正行為の発見を強化

20221115日、ロンドン(英)–  イノベーションを加速する信頼性の高い知見や分析を提供する世界的リーディングカンパニーのClarivate Plc (NYSE:CLVT)は、本日、2022年の高被引用論文著者(Highly Cited ResearchersTMを発表し、大学、研究機関、営利団体において、その分野または研究領域で、極めて重要で広い影響力を発揮している研究者を選出しました。選出の手法は、Web of Science™ の引用文献データを活用し、クラリベイトのInstitute for Scientific Information (ISI)™に所属するビブリオメトリクスとデータサイエンティストの分析に基づいています。

ISIのアナリストは、過去10年以上にわたり、その専門分野または研究領域において、著しい影響を与えた6,938名の研究者を今年の高被引用論文著者(Highly Cited Researcher)として選出しました。このグローバルな選出リストは、世界69の国と地域、また科学と社会科学分野の多様な研究領域から選定されています。

今年クラリベイトは、剽窃、画像加工、偽の査読など、不正行為の可能性に対して高まる懸念に対応するため、高被引用論文著者の候補者リストの分析を強化しました。論文撤回監視サイト、リトラクション・ウォッチの撤回監視データベースを利用し、クラリベイトのアナリストは、高被引用論文著者の候補者の全論文について、意図的な不正行為として認められるものがあるかどうかを調査しています。この作業により、研究者の所属機関もしくは政府機関、また資金提供者や出版社の正式な手続きにおいて、不正行為が認められた研究者は高被引用論文著者の候補者リストから除外されました。

クラリベイトのInstitute for Scientific Information (ISI)のリサーチアナリストの最高責任者であるDavid Pendleburyは次のように述べています。「研究における不正行為への懸念はますます増加しています。異常な引用行偽の査読といった行為は、意図的な不正行為の可能性を示すものです。そのため、今年は定性的な分析を強化し、高被引用論文著者の候補者リストがコミュニティ全体に対する真の研究の影響力を反映できるようにしました。」

2022年の主な選出者は以下の通りです。

 

    • 69の国と地域から、6,938人の研究者が選出されました。Essential Science Indicators™ (ESI)の研究分野において複数の研究分野で選出された優秀な研究者もおり、219名は2分野、28名は3分野、また4名は4分野で選出されています。彼らの業績は実に例外的であり、コミュニティの間で広く学際的な影響力があることを示しています。全体としては、特定の分野から3,981名が、クロスフィールドで3,244名が選出され、合計で7,225名の研究者が高被引用論文著者に認定されました。

 

    • 2022年の高被引用論文著者のうち2,764名の所属機関は米国です。そのシェアは2018年の3%から38.3%に減少しました。アメリカを拠点とする高被引用論文著者のシェアは徐々に低下していますが、依然として研究の影響力において世界をリードしていることは明らかです。

 

    • 2位は中国で、高被引用論文著者が1,169人(2%)となりそのシェアは2018年の7.9%から増加しました。中国は5年間でそのシェアを2倍以上に拡大しました。

 

    • 英国は579人(0%)で3位となりました。英国の人口は米国の1/5、中国の1/20であることを考えると、引用の観点では、各分野の各分野のトップレベルの研究者が集中していることを示しています。

 

    • ドイツは369人で4位、オーストラリアの337人を引き離しました。次にカナダの226人、オランダの210人、フランスの134人、スイスの112人、そして初のトップ10に入ったシンガポールの106人が続き、スペインが順位を落としました。

 

    • 33人が選出されたハーバード大学は、今年も世界で最も多くの高被引用論文著者を擁する大学となりました。政府・公的研究機関も上位10位以内に大きく食い込んでいます。中国科学院は228人で2位、ハーバード大学との差を縮め、アメリカ国立衛生研究所の113名とドイツのマックス・プランク研究所の67名が続きます。ペンシルベニア大学は昨年の17位から躍進し、トップ10にはいりました。

 

 

1:高被引用論文著者の選出国・地域

順位 国 / 地域 高被引用論文著者数 シェア (%) シェアの変化
(2018 – 2022)
1 米国 2,764 38.3 -5.0
2 中国 1,169 16.2 8.3
3 英国 579 8 -1.0
4 ドイツ 369 5.1 -0.8
5 オーストラリア 337 4.7 0.7
6 カナダ 226 3.1 0.4
7 オランダ 210 2.9 -0.2
8 フランス 134 1.9 -0.7
9 スイス 112 1.6 -0.6
10 シンガポール 106 1.5 0.2

 

2:高被引用論文著者の所属機関

順位 高被引用論文著者所属機関名 高被引用論文著者数
1 ハーバード大学 233
2 中国科学院 228
3 スタンフォード大学 126
4 アメリカ国立衛生研究所 113
5 清華大学 73
6 マサチューセッツ工科大学 71
7 マックス・プランク研究所 67
8 カリフォルニア大学サンディエゴ校 66
9 オックスフォード大学 63
10 ペンシルベニア大学 62

 

2022年高被引用論文著者リストとアナリシスの全文はこちらからご覧いただけます。
オンラインでのフォロー:Twitter @ClarivateAG #HighlyCited2022.

評価方法について:

高被引用論文の著者名は、Web of Science Core Collectionにおいて、分野別・出版年別の被引用数で上位1%にランクした論文から選出し、そのリストから高被引用論文著者の所属研究機関および所在国を特定しています。また本分析は、高被引用論文著者が自身の主要な研究機関として指定した所属先に基づくもので、今年は、69の国と地域から、特定の分野 において3,981名、またクロスフィールドで3,244名の、合計7,225人の研究者が高被引用論文著者に選定されました。今年の高被引用論文著者数7,225名は実質的には6,938名の個人を認定しています。選定人数が個人数を上回っているのは、一部の研究者がEssential Science Indicators™ (ESI) における複数の研究分野で選出されているためです。本分析における国と地域、並びに研究機関は、各分野、研究フィールドごとに選出された研究者を集計するため、合計数の7,225名をベースとします。これらの高被引用論文著者は2011年1月から2021年12月までの11年間に発表された被引用数の多い論文の中から選定されており、また選出の方法は、クラリベイトのInstitute for Science Information (ISI)に所属するビブリオメトリクスの専門家の分析に基づいています。本データは、InCites Benchmarking & Analytics™、Essential Science Indicators™を使用し、世界最大の中立的な学術文献、引用情報データベースであるWeb of Science Core Collection™の学術論文数と被引用データに基づき、研究業績基準やトレンドデータを独自に算出しています。

クラリベイトについて

クラリベイト™は、イノベーションを加速する信頼性の高い知見や分析を提供する、世界的リーディンクカンパニー です。当社の使命は、新しいアイデアから人生を変えるような発明を生む時間を短縮するための、実用的な情 報とインサイトを提供することにより、お客様が抱える難題を解決できるよう支援をすることです。サイエンスや知 的財産の分野において、基盤となる研究やアイデアから保護、そして商業化に至るまで、イノベーションのライフサ イクル全体をカバーする深い専門知識を備えたサブスクリプションおよびテクノロジーベースのソリューションを提供 しています。詳細については、clarivate.com をご覧ください。

本リリースは、Clarivate が 2022 年 11月 15 日に発表したプレスリリースを日本語に翻訳再編集(一部追記を含む)したものです。オリジナルは英文ニュースリリースをご参照ください。本資料の正式言語は英語であり、その 内容・解釈については英語が優先します。

本件に関する問い合わせ先:

クラリベイト・アナリティクス・ジャパン株式会社

Email: marketing.jp@clarivate.com